«時計作品を修復することは稀にしかない幸福です。時や人間の悪弊から作品を解放するということは、私たちの記憶に必要な、移ろいやすい真実の中に、その作品をよみがえらせるということなのです。»
ミシェル・パルミジャーニ
ミシェル・パルミジャーニが、自分の名を冠する高級時計ブランドの設立という素晴らしい機会を手にした当時、彼は昔の機械式時計を修復していました。修復の仕事はすべてを教えてくれました。数百年にわたって蓄積された時計の知識、職人技による妥協の無い仕上げへの献身、先人の壮麗な作品に対する敬意と謙虚さ。クォーツショックの只中にありながら、修復という仕事が、真の手技は時の試練を乗り越えられることを教え、時計製造の夢の実現に向けて自信を与えてくれました。そして、修復を通じてこそサンド・ファミリーとの出会いが生まれ、その機械式時計のマスターピースの管理と維持を託されたことが、ブランドの出発点へと繋がりました。さまざまな意味において、修復はパルミジャーニ・フルリエの魂であり、導く力であるのです。